沖縄の民具

"民具"とは人々が日常生活の中で必要とし、それに応じて製作、使用してきた伝統的な道具のことを言います。

沖縄では主にクバや月桃、マーニなどの身近にある植物を使用して作られています。

当店でお取り扱いさせていただいている作品に主に使われているクバについてご紹介します。

"クバ"と聞いてもピンと来ない方も多いかもしれませんが、沖縄では神木として定着している植物です。

御嶽(うたき)と呼ばれる神聖な拝所には、神様の依代として必ず植えられています。

沖縄では、そんな神聖なクバを使って昔からウブル(水汲み)やオージ(扇)などの民具が作られていました。

沖縄は日本本土とは気候や地形などの環境が大きく異なるぶん育つ植物も特殊です。

大自然の中で育まれた素材を使い、それを生活の中で生かす。

沖縄の民具からは、自然とともに生きてきた沖縄人の歴史を感じることができると思います。

生活様式が昔とは大きく変わった現代では、民具は本来の用途に沿って日常的に使われることはほとんどありません。

しかし植物ありのままを使った作品たちは味わい深く、今も愛されています。

民具の作り手が減少していく今だからこそ、自然を愛し、ともに生きる中で生まれた民具をご紹介していきたいと思います。